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演奏時間:5:30
グレード:3
楽器編成
Piccolo
1st & 2nd Flute
Oboe (opt.)
Bassoon (opt.)
Clarinet in E♭(opt.)
1st Clarinet in B♭
2nd Clarinet in B♭
3rd Clarinet in B♭
Alto Clarinet in E♭(opt.)
Bass Clarinet in B♭(opt.)
1st Alto Saxophone in E♭
2nd Alto Saxophone in E♭
Tenor Saxophone in B♭
Baritone Saxophone in E♭(opt.)
1st Trumpet in B♭
2nd Trumpet in B♭
3rd Trumpet in B♭
1st & 2nd Horn in F
3rd & 4th Horn in F (opt.)
1st Trombone
2nd Trombone
Bass Trombone
Euphonium
Tuba
String Bass (opt.)
Timpani
Triangle
Snare Drum
Crash Cymbals
Bass Drum
Glockenspiel & Suspended Cymbal
Harp (opt.)
♪楽曲解説♪
エリック・サティ(Eric Alfred Leslie Satie,1866-1925)は、近代フランス音楽を代表する作曲家の1人として知られています。ドビュッシーやラヴェルらに先駆けて19世紀後半から印象主義的な作品を発表していたものの、時代の先を行き過ぎていたために生前に聴衆に理解されることはほとんどなく、貧困のなかにその生涯を閉じることになりました。今日よく知られている作品としては、この「ジュ・トゥ・ヴ」のほか、「ジムノペディ」「グノシエンヌ」などがあります。そのほか「犬のためのぶよぶよとした前奏曲」「冷たい小品」「梨の形をした3つの小品」といったように作品に奇妙な題名をつけることでも知られています。
この「ジュ・トゥ・ヴ」は、1900年頃に作曲されました。この頃サティは 、神秘的なピアノ曲を作る一方で、モンマルトルのカフェ「シャ・ノワール」(黒猫)のピアニストとして生計を立てていました。当時、このカフェにはコクトーやピカソをはじめとする文学者や詩人、画家など、幅広いアーティストが集い交流を深めていたそうです。「ジュ・トゥ・ヴ」は、そのカフェのために書かれたシャンソンのうちの1曲で、アンリ・パコリ(Henry Pacory)の作詞に作曲されました。当時、花形シャンソン歌手であったポーレット・ダルティのレパートリーとして盛んに歌われたのですが、のちに男声版の歌詞も作らました。この曲には「あなたが欲しい」「おまえが欲しい」といった邦題が付けられることもあり、女声版・男声版ともに片思いの異性への想いが非常に情熱的な歌詞によって綴られています。また、サティ自身の手でピアノ編曲版も作られ、ピアノ独奏用には歌曲にはない部分がトリオとして含まれています。
この吹奏楽用の編曲は、さいたま市立浦和高校吹奏楽部の委嘱により、ピアノ独奏版をもとに編曲したものです。編曲にあたっては、フランス音楽的な色彩感をできる限り表現するよう心掛けました。そのため、楽器によってはところどころ演奏しづらく感じられる音域などもあるかもしれませんが、ぜひそれぞれの音域が持つ特徴を味わい豊かな色彩を表現してほしいと思います。また、打楽器パートは、楽譜上の見た目は決して難しくないとは思いますが、音量や音色のコントロールを十分に研究してみてください。
この編曲は、2006年4月16日にさいたま市文化センターにて行われた、さいたま市立浦和高校吹奏楽部・第31回定期演奏会において、根岸孝俊指揮/同校吹奏楽部の演奏によって初演されました。
(黒川圭一)
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